北海道の雑学(第三章)
北海道の雑学(第三章)は、鮭とイクラの話や旭川の別名、北海道三大名橋、蝦夷三官寺、北海道三大秘湖、北海道三大アイヌ部落などの歴史や出来事などをご紹介。
秋の味覚の鮭、別名「秋味」とも呼ばれる鮭と鮭の卵のイクラの名の由来や旭川市の歴史の中の四つの別名(北の京都・軍都・北の灘・川の町)の由来、北海道の札幌、旭川、釧路の三都市を代表する橋(豊平橋・旭橋・弊舞橋)の歴史、江戸時代に開墾を目的に建てられた幕府直轄の蝦夷三官寺(有珠の善光寺・様似の等樹院・厚岸の国泰寺)の歴史、北海道三大秘湖(オンネトー・東雲湖・オコタンペ湖)の成り立ち、北海道の三大アイヌ部落と呼ばれる先住民族のアイヌ民族の歴史的な部落などをご紹介。
鮭とイクラの話
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(石狩鍋)
鮭は、内臓以外残すところの無い魚として北海道では、親しまれています。代表的な食べ方が「石狩鍋」ですね!昔は、身は焼いて残った部分を「アラ」と呼び、鍋の出汁にしていました。 |
北海道の秋の味覚の代表格は、やはり鮭だと思います。旭川の中心部を流れる石狩川にも昔は鮭が産卵の為に遡上していたと言われていますが鮭の稚魚の放流と魚道も造られ少しではありますが遡上も確認されています。又、北海道では、鮭の事を秋鮭(アキアジ)とも呼んでいます。語源は正確ではないのですが秋になると川を遡上する鮭は、秋にだけ食べる事のできる貴重な食べ物であった事からその名が付いたとも言われています。ちなみにアイヌ民族も遡上してきた鮭を捕まえて冬の越冬食としていた様です。その一つが本州では、高級食材として有名な鮭を凍らせた「ルイベ」です。
鮭の卵は、イクラである事は知っていると思いますが語源は、ロシア語で「魚の卵」の意味です。基本的には、鮭の卵をばらして塩漬け、醤油漬けにした物がイクラで、鮭の卵をばらさないで塩漬けにした物を筋子と呼んでいますがこの頃では、鮭の卵をイクラと言い鱒の卵を筋子と呼んで区別している所もある様です。
北の京都とも呼ばれる旭川
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(旭川に離宮計画)
昔から南の京(みやこ)は奈良、西の京は京都、東の京は東京と呼ばれ唯一無かった北の京。最初は、東北地方に置く計画だったが既に人口か多く広大な御料地が望めなかった事から旭川に白羽の矢が立ったが日露戦争で立ち消えとなった経緯があります。 |
北海道の第二の都市・旭川市は、昔は「北の京都」とも呼ばれていた町です。北の京都と呼ばれる様になった起こりは、北海道初代長官・岩村通俊の上川地方の開発に対する熱意で特に旭川を開発すれば周囲が開発される事から開拓を進めるべき意見を政府に提出した事からと言われています。
明治政府は岩村の意見に賛成し明治18年に岩村通俊とのちの北海道第二代長官 永山武四郎などの一行はアイヌ人の道案内を付け札幌から道なき道を約一週間をかけて忠別太(現旭川)に到着しました。到着後すぐに一行は近文山に登り上川盆地の視察(国見)をした。この時の岩村の忠別太原野の感想がのちの旭川の街造りの基礎となっています。その時の岩村の感想を簡単に現在の言葉にまとめると「現在の大雪山を京都の比叡山に見立て石狩川を鴨川に見立てて周囲が山に囲まれ高低差の少ない広大な盆地がある。まるで京都を大きくした様な風景でここに街を創るなら京都の様な町をと提唱したと言われ、この時の岩村の提唱が旭川の中心街を碁盤の目に区画整理され、街造りがされた事から「北の京都」と呼ばれる由来になったとも言われています。
北海道三大名橋
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(夜の幣舞橋)
釧路を代表する橋が「幣舞橋」。アイヌ語の「ヌサオ・マイ」(神を祭りたる処)の意味で現在の橋は、5代目になります。橋の欄干には、釧路の春夏秋冬を表現する4体の「四季の像」があり、釧路を訪れたら一度は、見て欲しい橋です。 |
北海道には、色々な美しい橋や歴史のある橋が沢山ありますがなんと言ってもやっぱり北海道三大名橋と呼ばれる札幌の豊平橋・旭川の旭橋・釧路の幣舞橋だと思います。
この橋が北海道三大名橋と呼ばれた由来は、この橋が最も当時の街並みとマッチした事とその建築技術が当時の最高の技術で造られた事からだとも言われています。札幌の豊平橋が北海道三大名橋の一つと呼ばれたのは4代目の橋の事で現在の橋の事ではないのが残念ですが当時(1924年)の豊平橋は当時では珍しいタイトアーチ(3つのアーチ)が連なる三連アーチ橋でした。旭川の旭橋は、1932年に造られた橋で美しい鉄骨のアーチが橋を支えられる構造です。現在でも当時のままで旭川市のシンボルです。塗装色は当時と同じに塗り替えられています。釧路の幣舞橋が三大名橋の一つと呼ばれたのは豊平橋と同じ4代目です。1976年に現在の5代目の橋に架け替えられましたが当時の橋は現在に近い形だとも言われています。只、違うのは、国内で初めて橋の欄干に彫刻が飾られた事です。北海道三大名橋は、時代とともに変わった橋もありますがやはり美しい橋だと思います。
蝦夷三官寺
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(厚岸の国泰寺)
江戸時代に建てられたお寺で扉には「葵の御門」が彫られています。徳川幕府も蝦夷の開発には力を注いでいたと思われる貴重な場所です。一度、扉を見て頂くと分かると思いますが手掘りの御門が歴史を感じさせる場所です。 |
北海道に数あるお寺の中で歴史や役割の重要性を持ったお寺と言えば有珠の善光寺・様似の等樹院・厚岸の国泰寺の蝦夷三官寺と呼ばれるお寺だと思います。
建立の起こりは、江戸時代の将軍徳川家斉により蝦夷地に派遣された武士や商人・出稼ぎ人などの心の支えや辺境の地蝦夷で亡くなった人達の供養・仏教の布教が目的であったと言われています。有珠の善光寺は、文化元年(1804年)江戸の芝増上寺の末寺として建立されました。本堂は、江戸時代の有珠山の噴火からも逃れほぼ原型をとどめ、江戸時代のたたずまいを今に伝えている貴重な建物とも言われています。様似の等樹院の建立は、文化三年(1806年)です。厚岸の国泰寺は、文化元年(1804年)に建立され今の十勝管内から根室・国後・択捉までを布教範囲とする臨済宗の寺院です。国泰寺に所蔵されている資料の中に文化元年から文久三年(1863年)までの60年間の歴代住職による記録「日鑑記」があり、幕府の蝦夷地政策や異国船来航などの記述が記録された貴重な資料が保管されています。ちなみに蝦夷三官寺が建立された時代は、幕府により元禄以降お寺を建てる事を禁じられていた時代であり、幕府においても蝦夷三官寺は特別な意味を持つお寺であった事は間違いないと思います。幕府によって建立された蝦夷三官寺のお寺の格も10万石に相当する待遇であったと言われています。
様似の等樹院の樹の字は、さんずいなのですが表示出来ない事からきへんの字を使用しています。
北海道三大秘湖
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(オコタンペ湖)
恵庭岳の噴火により創られた堰止湖で道路からしか見る事の出来ない湖面の色が独特な湖です。湖の名の由来は、アイヌ語の「オ・コンタ・ウン・ペ」(川下に村がある)から名付けられた湖です。 |
北海道には、日本で3番目に大きなサロマ湖(1番目琵琶湖・2番目霞ヶ浦)や日本最大のカルデラ湖の屈斜路湖などがありますが神秘性や美しさ・自然の姿を今も残している湖と言えばやはり北海道三大秘湖と呼ばれる「オンネトー」や「東雲湖」・「オコタンペ湖」だと思います。
オンネトーは、五色沼の別名を持つ足寄町の東に位置する雌阿寒岳の噴火により出来た堰止湖で湖底から温泉が噴出している事が湖水を酸性に変えたため魚の棲めない湖でもあります。現在では、車で湖畔まで行けますので秘湖のイメージはあまり強く感じる事は出来ませんが湖面の色の美しさは言葉では表現しづらい色合いです。
東雲湖は、然別湖の天望山の麓にある湖で周囲が1キロメートル位の小さな湖です。見た感覚では、湖というより沼というような気もしますが周囲の美しい風景が神秘性を感じさせてくれる湖でした。現在では、熊の出没や自然保護の観点から簡単に見に行く事が出来ない場所となってしまいました。
オコタンペ湖は、支笏湖の側の恵庭岳の火山噴出物により出来た堰止湖です。湖の周囲は、約5キロメートルで湖の一帯はエゾマツやトドマツなどの原生林に覆われています。晴れた日には、湖面がコバルトブルーに輝く美しい湖ですが人を寄せ付けない魅力と神秘性を備えた湖だと思います。
北海道三大アイヌ部落
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(ポロト・コタン)
アイヌ語の「ポロ・トー・コタン」(大きな湖にある村)から名付けられてアイヌ部落でアイヌ部落としては北海道で最大の施設です。 |
北海道には、昔から先住民族であるアイヌ民族が暮らしていました大地ですが現在では、アイヌ民族の歴史や文化を伝えている場所も数少なくなってしまいました。その歴史や文化を今も特徴を出しながら伝えているのが北海道三大アイヌ部落と呼ばれる白老のポロトコタン(現ウポポイ)や旭川市近文の川村カ子トアイヌ記念館・平取の二風谷のアイヌ部落だと思います。白老のポロトコタンは、官民が協力してアイヌの文化や歴史を伝えている白老一帯のアイヌ民族の聖地です。川村カ子トアイヌ記念館は、石狩アイヌ(現在の石狩地方から上川盆地の一帯)の首長の家計からアイヌ民族の歴史や文化を伝承している記念館です。二風谷アイヌ部落は、今は亡き萱野茂さんで有名ですがアイヌ民族の言語や文化・風習などアイヌ民族の本来の姿を後世に伝承していく為のアイヌコタンです。
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